2019.12.25 14:13親友との約束かなり古い外付けハードディスクを見てみたら、昔書いた原稿があれこれ。というわけで、そのまま消えるのも寂しいので、今回も再録(たぶん、当分、再録シリーズ)。2008年に琉球新報のコラム「落ち穂」に掲載した文章。親友Gというのは、「がんすけ」のこと。11月の13回忌に書いた話とかぶる部分もあるけれど...-----親友との約束親友Gが肺炎で亡くなったのは、昨年の十一月、自身の三十八歳の誕生日まであと数日という日のことだった。彼は、二十歳で会社を興した優れた企業家であり、才能あふれるシステム・エンジニアであった。そして、ゲイなど性的少数者の生きやすい社会の実現をと、様々な活動に力を注いだゲイ・アクティビスト(活動家)でもあった。僕は二〇〇〇年に、「東京レズビ...
2019.12.19 06:45同性愛をめぐる価値観の変化は「輸入」によるものか? 江戸時代まで同性愛に「寛容」だった日本が、西洋のキリスト教的価値観が入ることによって一変した、ということを自明なことであるかのように書いている表現をよく目にしますが、それはあまりにも単純すぎる見方であると私は考えています。拙著『新宿二丁目の文化人類学』で書いた、そうしたとらえ方に対する異論を掲載します。少し、語句を変えた部分があります。--- pp.282- ゲイという言葉や性的指向という概念は英語圏由来のものであるため、一見すると、海外からの「輸入」されたものによって変化がもたらされたように見えなくもない。 それは、ちょうど、江戸時代においては男色に寛容だった日本が、明治期に入り西洋の価値観が入ったことによって非寛容的な社会に変化した見る...