2020.03.14 13:11【Books】勧めたい10冊(後編)ジェンダー/セクシュアリティ関係で選んだ10冊の後編。▼ジョージ・チョーンシー(上杉富之・村上隆則 訳)2006 『同性婚 ゲイの権利をめぐるアメリカ現代史』(明石書店)2015年に米国で結婚の平等化(同性婚が認められること)が実現した。それまでは州単位で判断されており、賛成派・反対派のせめぎあいがあり、二転三転する州もあった。今、日本でも結婚の平等化を求めて一斉提訴がおこなわれ、裁判がおこなわれている。そうした動きに対して、なぜ結婚という制度が必要なのか?本人たちが愛し合ってるならそれでいいのではないか、という言葉が投げかけられる。この本の原題は、Why Marriage? (なぜ、結婚?)だ。同じ疑問が米国でも向けられてきた。この本には、結婚を求め...
2020.03.14 05:30【Books】勧めたい10冊(前編)「#新大学生に勧めたい10冊」というハッシュタグをツイッターでみかけたので、私も。と思ったけど、全然「新大学生」じゃなくてもいいな、と思い、ブログは、このタイトルで。たくさんありすぎたので、とりあえず、ジェンダー/セクシュアリティ関係に絞りました。10冊のはずが、見出しの本以外の本も文中にとりあげたので、全然10冊に絞られてないじゃないか、という感じですが。ちょっとした解説加えたぶん長めになったので、二回に分けて。▼田中雅一/中谷文美 編 2005 『ジェンダーで学ぶ文化人類学』(世界思想社)最近の日本の文化人類学界隈では、以前にも増してジェンダーというテーマは軽視されている感が強いが、ジェンダーという視点、テーマを外して、人文・社会系の学問を考える...
2020.03.08 13:48自分を受け入れる:TEDx に映し出される私【TED x OIST(沖縄科学技術大学)出演時の動画は一番下にリンクがあります】「自分を受け入れる」なんて、ベタなタイトルをつけてみた。自分を受け入れることがいかに大事か、巷でよく耳にする話。最近は、それも一周して、そう自分にプレッシャーをかけて、それができないダメな私...みたいになったりしてないだろうか?という問いかけもたまに見かける。ぐるぐる。私は、時期によって違いはあるけれど、ベースは自分にかなり自信がないタイプ。それについて詳細に語るとキリがないので、いつかあらためるとして、とりあえず今回の本題へ。あまり宣伝してなかったけれど...実は私、2018年に開かれたTED x OIST(沖縄科学技術大学)に出ているのです。Twitterの英語アカ...
2020.03.06 15:35【映画】「人生はビギナーズ」(2010年)小長谷有紀・ 鈴木紀・旦匡子 編 2016 『ワールドシネマ・スタディーズ 世界の「いま」を映画から考えよう』(勉誠出版)に寄稿した文章を若干修正して再録----------------▼織り込まれる時代の変化 『人生はビギナーズ』は、マイク・ミルズ監督自身の実体験を元につくられたと言われている。そのせいか、この映画は、ライフヒストリーという研究手法を思い起こさせるものとなっている。 ライフヒストリーとは、個人の人生の歩みを聞き取りながら、その生について、またその人の生きて来た世界や時代性などを記述し、考察するものだ。 この映画には、主人公オリヴァーが恋人/パートナーとなる女性と出会い、その関係性を模索している現代から、彼の父親であるハルが...